第1回日本ユマニチュード学会総会が開催されました。(ダイジェスト映像配信)

 

2019年10月20日、第1回日本ユマニチュード学会総会を東京都千代田区の一橋講堂にて開催しました。

医療、介護の専門家や研究者、家族で介護を担う方々ら約400人が参加し、各々の分野でのユマニチュードの実践報告やユマニチュードが描く未来像を語り合いました。  

ダイジェスト映像

 

 はじめに、健寿社会実現のためのプロジェクト「福岡100」でユマニチュードを事業採択している福岡市の副市長で、ユマニチュード学会理事でもある荒瀬泰子さんが基調講演を行いました。荒瀬さんは「高齢化が比較的ゆっくりと進んだフランスでは様々に検証された取り組みがあるはずだと思った」とユマニチュードに興味を持った理由を明かしました。

 全ての市民がケアに参加できることを目指す「認知症フレンドリー・プロジェクト」では、市内145のすべての校区でユマニチュードの講座が開かれる計画であると紹介。ユマニチュードを学んだ市民が講師となって地域住民に伝えるという取り組みを通じて、「地域の人が自分らしく生きていける街づくりを推進していきたい」と語りました。

 本田美和子代表理事は「ユマニチュードの研修を受けた後で、職場で実践する時によくわからないことがあったり、周囲の理解を得ることがむずかしく一人になってしまうという話を聞き、研修を受けた方々が仲間として一緒に活動できるように学会を設立することにしました」と挨拶。「全ての人の自律が尊重される社会を目指すことをこの学会の目標としたい」と述べました。また、東京、愛媛、広島、福岡の病院や介護施設に所属する5人のインストラクターが「市民と拡がるユマニチュード」「急性期病院におけるユマニチュード の意義」などのテーマでそれぞれの現場での実践報告や課題を発表しました。


 また、総会に先立ち行われた公益財団法人「生存科学研究所」との共催による市民講座「ユマニチュード認証 夢を現実へ」では、ユマニチュード考案者のイヴ・ジネストさん、5年前にフランスで始まったユマニチュード施設認証制度で、いち早く施設認証を獲得した介護施設オディッセニォールの経営者エドゥアール・ロビエスさんと、ゼネラルマネージャーのジャン・シャルル・デュプイさんが講演を行いました。

 ロビエスさんは「ユマニチュードは、入居者、働いている人、経営者の皆が理念を共有するアプローチによって、施設の文化を作り上げることを可能にします」と話し、ユマニチュードの導入によって入居者の生活の質を高めることが、入居率の定常的な向上、職員の離職率低下、採算性の向上による再投資の実現と好循環を産むと説明。デュプイさんは施設認証に到るまでの取り組みの詳細を紹介し、「ユマニチュードはその方法や技術、哲学だけでなく、私たちを自由にしてくれた。様々な創意工夫、才能を活かし、施設の中でやってもいいことが増える」と話しました。

 お二人のお話を受けてジネストさんは、現在、フランスで認証を受けている施設でその人らしく人生を楽しむ入居者の様子を紹介しながら、「人生は道であり、皆がその行き着く先を知っています。寄り添ってくれる人がいる場所で適切な援助を受けることができれば、最期の日まで自律した生活を送ることは可能です」と語り、『大問題』と例えられる高齢化社会に対し「それぞれの人が大切なことは何かを考え、自分ができることを持ち寄り、実践し続けることで、『大問題』は大きな可能性を秘めた『新しい社会の創造』となるのです」と呼びかけました。

 


 

第1回日本ユマニチュード学会抄録集

抄録集をこちらからご覧いただけます。
第1回日本ユマニチュード学会抄録集(PDF)』

 

映像配信

介護施設オディッセニォールの経営者エドゥアール・ロビエスさんと、ゼネラルマネージャーのジャン・シャルル・デュプイさんの講演、福岡市の副市長でユマニチュード学会理事でもある荒瀬泰子さんの講演を、会員限定で映像公開しています。

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