会員限定オンラインサロン「雨宿りの木」第一回レポート 

日本ユマニチュード学会の会員限定オンラインサロン「雨宿りの木」。その第一回の集いを6月20日、約70人の会員の皆さまに参加いただきライブ配信にて開催いたしました。ユマニチュードを実践して下さっている方々をゲストにお招きし、それぞれの現場での取り組みを語っていただく当サロン。初回は、看護系学部として国内で初めてユマニチュードを正規のカリキュラムに導入した富山県立大学看護学部の竹内登美子学部長をお迎えし、本田美和子代表理事と富山-東京を結んで対談していただきました。

 

同学部は2年前に開設された新しい学部です。竹内先生は、看護学にユマニチュードを取り入れる必要性を文部科学省に繰り返し説明し認可を得たことや、開設前に教員全員にユマニチュードの研修を行うなど徹底した準備をしたことなど、導入に至るまでのエピソードを紹介して下さり、「学部を新しく作るということで、(教員の)皆に新しいことにチャレンジしよう、やってみようという気風があったのが良かった」と振り返りました。また、学生が卒業後に、それぞれの現場でユマニチュードを実践できるようにするためには「教育と共に現場の改革も大事」と語り、富山県立中央病院をはじめとした公立病院の看護師を対象にユマニチュードの研修を行う計画であることを明かして下さいました。

サロンの後半には、ユマニチュード考案者のイヴ・ジネスト先生もサプライズ参加。昨年9月に富山県立大学で直接、学生の指導を行ったジネスト先生は「学生の皆さんはとても真剣に学び、素晴らしい反応を得ることが出来ました。竹内先生のお仕事には感銘を受けています」と、同大での取り組みを讃えました。

また、参加者の皆さまとの質疑応答では「認知症の母親の介護に使えるユマニチュードの技法を教えて欲しい」という家族介護者の方や「書籍を中心にユマニチュードを習得するには」という看護学生の方の質問、また看護の現場で「ベテランの看護師にユマニチュードを伝えるのが難しい」という声が寄せられました。本田代表理事は、ユマニチュードに関する数々の書籍やDVDなどをご紹介し「〝雨宿りの木〟というサロンの名前のように、ユマニチュードを実践する方々が駆け込めるような場にしていきたい」と締めくくりました。

視聴者アンケート結果 (2020年6月実施 回答者数57名)

1.オンラインサロンの参加・閲覧状況

事務局より

アーカイブ配信で視聴いただいた方も多かったため、今後の会員サロンに関しましても期間限定で後日配信を行う予定です。

2.オンラインサロン満足度

<満足理由より一部抜粋>

・初めての学会行事参加が今回のオンラインサロンでした。専門が介護、看護ではないため、これまで研修に参加することができず、また、先生方のご講演も遠方の為参加することができませんでした。今回このような形で参加することができたことをとても有難く思っております。先生方の対談を拝聴し、ユマニチュード哲学そのままの先生方のお人柄に触れ、改めてユマニチュードの深さを感じながら学ばせて頂きました。また、最後にジネスト先生から直にお話を伺うことができ、とても感謝しています。

・看護学部の新設にあたり、ユマニチュードをカリキュラムに取り入れるためにどのような準備をされてきたのかという話題が非常に興味深かったです。また、学生が卒業後に入職した職場でユマニチュードを実践するにあたって、現場に対して感じるギャップを埋める取り組みに関心を持ちました。

・介護職の私としては、介護職への普及の様子や福岡市の市民への普及の方が興味がある為、看護の方が羨ましいばかりでした。

事務局より

今回は「看護教育」がテーマであったため、業種や職種の違いによりご期待に添えられなかった方には申し訳なく思います。家族介護をされている方、学生の方、看護師・介護士の方などさまざまな方が参加される会員サロンとして、これからもさまざまなテーマで皆様に関心のある内容を発信してまいります。

3.今後の希望テーマ (一部抜粋)

・介護現場でユマニチュードを導入された施設の紹介をテーマに取り上げていただければ嬉しいです。

・成功事例はいろいろ読んだり聞いたりできるので、困難事例や現場で感じる壁のようなものについても聞いてみたい。

・技術のハウツーではなく、どうしたらユマニチユードが心から実践できるか、心の育て方の話を聞きたいです。

・コロナで施設内にいる母に対して、家族はどのように関わっていけばいいのでしょうか? 

・医療従事者以外でも理解しやすい内容や 実際の講義中の光景が見たいです。

事務局より

それぞれの立場より聞きたいことを教えていただきました。対談だけに止まらず、インストラクターとの懇親会や会員交流会、技術アドバイスなどを今後のサロン活動にて実施したいと考えております。しばらくはオンラインによる開催が続くかと思います。ぜひ全国各地より、ご参加いただけますと幸いです。

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