福岡市における小・中学校、企業でのユマニチュード講座 開催報告
福岡市は、認知症になっても住み慣れた地域で安心して自分らしく暮らせるまちを目指し、平成30年度に「認知症フレンドリーシティ・プロジェクト」を開始し、その中核事業として、「ユマニチュード」の普及を促進しています。
市民へ広く周知することを目的に、ユマニチュードを「知る」ための講座を実施できる講師「福岡市ユマニチュード地域リーダー」を養成しました。地域リーダーは、公民館153館、小学校146校・中学校71校などで、ユマニチュード講座を行っています。

2025年11月27日(木)、舞鶴中学校で、1年生132名を対象に講座が行われました。講師を務めた地域リーダーの貞金俊介さんが、生徒たちと対話を重ねながら進めた講座は、終始和やかで楽しい雰囲気に包まれていました。隣の生徒と向き合い、「話す」を体験する場面では、「難しい!」「褒められるのはやっぱり嬉しい」といった声があがり、照れながらも積極的に取り組む姿が見られました。「認知症はどうにもならないと思っていたけれど、自分たちの接し方次第で変わることが分かった」という感想も聞かれました。

2025年11月26日(水)、小笹小学校で、4年生155名を対象に体育館で講座を実施しました。講師は地域リーダーの松永佳子さん。ご自身のお子さんも通っていた小学校であるという親しみと、マイクを使わず大きなジェスチャーで語りかける話しぶりが、児童との距離を自然と縮めていました。児童たちからは、「お家の人にもユマニチュードを教えたい」「おじいちゃん、おばあちゃんと話すときに、今日習ったことを思い出してやってみたい」といった声があがっていました。

2025年11月28日(金)、笹丘小学校の4年生109名を対象とした講座は、1クラスは講師との対面、他の2クラスはオンラインというハイブリッド方式で実施されました。講師を務めたのは、校区在住でもある地域リーダーの久米洋子さん。久米さんがはじめに「認知症って聞いたことがありますか?」と問いかけると、多くの児童が手を挙げ、子どもたちの間にも「認知症」という言葉が身近なものとして広がっている様子がうかがえました。講座後、児童からは、「友達にも使えそう、もっと仲良くなれそう」「おじいちゃんやおばあちゃん、困っている人と話すときにどうしたらよいか分かった」といった感想が寄せられました。

2025年11月14日(金)、市内の民間企業(東京海上日動メディカルサービス株式会社)でもユマニチュード講座が行われました。「電話対応の業務でも、寄り添う姿勢や考え方としてユマニチュードを活かせそう」「仕事だけでなく家族介護にも使いたい」「家族にはなかなか優しくなれないが、技術として取り入れてみたい」といった声が聞かれました。講師を務めた地域リーダーの松永佳子さんは、看護学校の講師であった当時、専門知識では家族介護がうまくいかなかった、辛い思いをした経験を振り返り、「その時にユマニチュードを知っていれば」という切実な思いが、現在ユマニチュードを伝える原動力になっていると語りました。
福岡市では、地域リーダーによる講座に加え、病院・介護施設の職員、家族介護者、一般市民、公務員(救急隊員)など幅広い方々を対象とした講座を実施し、ユマニチュードの普及に取り組んでいます。こうした取り組みにより、「学校で学んだ子どもを通じてユマニチュードを知った」「親が入院した病院でユマニチュードが取り入れられていて関心を持った」などの声が寄せられ、ユマニチュードが市民の生活に身近なかたちで広がっています。
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