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会員限定オンラインサロン「雨宿りの木」第二回レポート  | 日本ユマニチュード学会|人間らしさを尊重したケアを共に社会へ

会員限定オンラインサロン「雨宿りの木」第二回レポート 

 第2回会員サロン「雨宿りの木」を9月5日、約70人の会員の皆様にご参加いただきライブ配信にて開催いたしました。前回のサロンにて寄せられた「具体的事例を」とのご要望に応え、国内におけるユマニチュード施設導入の先駆けである医療法人社団東山会(東京都調布市)の取り組みを2回シリーズでご紹介します。今回のゲストは、同会理事長で日本ユマニチュード学会理事でもある小川聡子先生。トップマネジメント(最上級管理者)としてのお立場から、ユマニチュードを組織として導入することの意義や難しさ、導入してからの変化を本田美和子代表理事と共に語っていただきました。

 

 同会調布東山病院がユマニチュードに取り組み始めたのは7年前。当時は「急性期病院なのに高齢者や認知症の患者さんまでなぜ診なくてはいけないんだ、という話が出るくらい皆が疲れ果てていた」そうです。「現場を何とか助けたい」という思いでユマニチュードの研修に看護師2人を派遣するも、組織としての導入には①院内でのユマニチュードを教えられる人材の育成②多くの職員にユマニチュードを伝える—という二つの大きな壁があった、と小川先生。「現場からもユマニチュードに背中を押してもらえる環境が出来たのはつい最近のことで、決して簡単ではありませんでした」と振り返りました。
 現在は院内に設けられた「ユマニチュード推進室」が主導し、看護師、医師、事務職に至るまで職種に分け隔てなく1日半の研修を受ける態勢が作られ、新入職員研修にもユマニチュードを取り入れているそうです。「ユマニチュードを導入して最も感謝しているのはユマニチュードの技法を使うことで、職員が認知症の方と心を通わせることができるようになったことです」と小川先生。高齢化がますます進む中で「地域の急性期病院として、自分たちにはそこに対応する技術があると思えるようになった」と語りました。
 後半は会員の皆様との質疑応答。小川先生のお話を受け、参加した会員皆様からは、それぞれの現場で「ユマニチュードは日本には馴染まないと言われ、納得してもらえなかった」「早くケアを済ませたいのに、なぜそんなケアをするのかと言われた」とユマニチュードを伝える難しさを訴える声が寄せられました。
 こうした声に小川先生は「我々も7年間、同じ道を辿って来ました。院内のインストラクターがとにかくやって見せて、例えば1病棟に30人のスタッフがいるとすると、その中の2人に分かってもらえればOKというところからスタートしています。ユマニチュードの技法をやることで明らかに患者さんの変化がある。その変化を丁寧に共有して実感してもらうことです」とアドバイス。また「全日本病院協会でも、マネジメントの視点でユマニチュードをみる研修などを考えなくてはと思っています」とおっしゃって下さいました。最後に「自分がやりがいを持って仕事をし続けることからスタートして、地道にコツコツやれば道は開けると思います。私たちの病院は7年目ですが、1年目にこんな日が来るとは夢にも思いませんでした。諦めずに自分がやりがいを感じていることを大事にしてください」と会員の皆様にエールが送られました。
  次回は、同院のユマニチュード推進室科長でユマニチュード認定インストラクターの安藤夏子さんに、現場の職員の立場から施設導入についてお話を伺います。

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