福岡市が主催する「ユマニチュード家族介護者向け講座」を開催しました。

2022年10月1日(土)、22日(土)、福岡市南区男女参画支援センターアミカスで、福岡市が主催する「ユマニチュード家族介護者向け講座」を開催しました。

福岡市在住で家族介護をされている方を対象とした2日間各2時間の講座で、10月1日の1日目はユマニチュードの基礎を学び、3週間後の10月22日の2回目は、家族にユマニチュードを実践した効果や感想などと参加者同士で共有して、さらにユマニチュードの学びを深める内容です。

<1日目・10月1日>

10月1日は、福岡市福祉局高齢社会部 認知症支援課の笠井課長のご挨拶から始まりました。


福岡市笠井課長のご挨拶

「2050年には総人口の1割が認知症になるといわれています。認知症になっても住み慣れた地域で安心して自分らしく暮らしていける社会をつくっていきたい、そのために福岡市は認知症フレンドリーシティプロジェクトを立ち上げて、様々な取り組みを行っています。その一つがユマニチュードの講座。誰もがなりうる認知症。これを特定の誰かだけが支えるのではなく、みんなで支えていく社会を目指します。ユマニチュードを受講して、よかったと思われたら是非、周りの皆さんにもユマニチュードを伝えてください。」と話しました。

講師は、ユマニチュード認定チーフインストラクターの髙澤君予さんと、安武澄夫さん。 


講師安武さん(左) 高澤さん(右)

介護の困りごとは何ですか?の髙澤さんの問いに「デイサービスに行きたがらない」「着替えをしてくれない」「モノをなくしたと大騒ぎする」と皆さんから様々な問題が共有されました。髙澤さんは、認知症を知ること、そしてユマニチュードを実践することが、これらの困りごと解決の第一歩となりますと話し、「介護をするということ」「認知症を理解すること」「優しさを伝える技術ユマニチュード」をスライドで説明しました。安武さんはユマニチュードの技術を使った認知症の方への接し方を、受講者と一緒に実践しました。 

2時間の講座で学んだことを、ご自宅に持ち帰り、実践して3週間後にまた会いましょう!ということで1日目の講座は終わりました。

<2日目・10月22日>

2日目は、前回学んだことを復習して、その後、2グループに分かれて、ユマニチュードを実践した体験談と感想を受講者同士で交換しました。


認知症の方の見え方を体験

グループでユマニチュードを実践したことを共有

ある男性は「叔母が末期癌で、アルツハイマー認知症。これまでホスピスにいたが、この1年くらい自宅に戻って生活している。週1回、叔父の代わりに叔母のお世話に通っているが、叔母は私のことがわからないし、お昼を食べさせようとしても拒否されて、叔母に会う時間が苦痛で仕方なかった。でもユマニチュードで習ったことを実践したみたら「●●君ね、、、、」と私のことを思い出してくれた。今度行く時はまた忘れているかもしれないけど、次、会うのが楽しみになった。私は弁護士の仕事をしている。認知症などで判断能力が十分でなくなった人の意思決定を支援するため、成年後見制度というものがある。ある女性は認知症で財産を脅かされる被害にあっていた。家族がこの制度を使うように説得していたがこの女性は拒否していた。弁護士として、ユマニチュードの技術でこの女性と話をしてみたら、話を聞いてくれて、納得してもらえた。家族介護だけでなくて仕事にも活かすことができて、ユマニチュードを周りに広めたいと思った」と話しました。他の受講者も家族介護でユマニチュードを実践してみて上手くいったこと上手くいかなかったことを、共有しあいました。

最後は、髙澤さんと安武さん2人のインストラクターが、2日間の講座のまとめとして、ユマニチュードの技術を使った様々な“家族の為の介護のコツ”を実践して、受講者はさらに学びを深めました。

受講者の皆さんと講師

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