日本におけるユマニチュードの活動体制
日本におけるユマニチュードの活動は、フランス本部(SAS Humanitude社)より全権を委任された本田美和子医師(当学会代表理事を兼ねる)の下、
広報、認証、学術研究、会員交流、ならびに一般市民や家族等の非職業人や自治体を対象とした教育事業に取り組む非営利組織
一般社団法人日本ユマニチュード学会
ケア専門職等の職業人を対象とした教育事業に取り組むと同時に、ケア技法の開発、デバイスの開発、世界のジネスト・マレスコッティ研究所との連携を行うIGM-Japon合同会社
が下図の役割分担にて協力・連携し、取り組んでいます。
※IGM-Japon:Institut Gineste Marescotti-Japon(ジネスト・マレスコッティ研究所日本支部)の略
※職業人とは、ユマニチュードを用いたサービスや作業の提供に対し「職業的対価」(給与含む)を得る個人・法人を指します。具体的には、看護師、介護士等の医療・介護専門職に加え、ユマニチュードを本来業務に役立てる目的で習得・利用する会社員や各種団体職員等もこれに当たります。日本におけるユマニチュードの学会設立までのあゆみ
ユマニチュードは、日本では2012年に初めて導入されました。日本ユマニチュード学会設立までのあゆみをまとめました。
2011年10月
ユマニチュードとの出会い
国立病院機構東京医療センター総合内科医の本田美和子(現「日本ユマニチュード学会」代表理事)が、ユマニチュード創始者のイヴ・ジネスト氏、ロゼット・マレスコッティ氏と出会い、ユマニチュードを導入しているフランスの医療機関などを訪問しました。
2012年2月
日本初の講習会
ジネスト、マレスコッティ両氏を招聘し、東京医療センターにて初の講演会を開催。併せて日本で初めてユマニチュードのケアを実践しました。以降、ユマニチュードの効果に手応えを感じた同センターの看護師を中心にユマニチュードの研修会が継続的に開かれることになりました。
2014年1月
IGMJ発足
日本ユマニチュード学会の前身となる「ジネスト・マレスコッティ研究所日本支部」が発足。国内でのユマニチュードのケアの研修や研究の拠点として活動を始めました。8月には日本で初めてのユマニチュード研修がジネスト氏により実施されました。
2015年
ユマニチュード研修が日本国内でスタート
デジタルセンセーション株式会社(現 株式会社エクサウィザーズ)が国内唯一のユマニチュード研修の認定事業体として専門職向けの研修を始めました。
教育への導入
旭川医科大学で、世界で初めて正規の医学教育にユマニチュードが導入されました。この後、岡山大学、奈良県立医科大学、長崎大学でも医学部学生がユマニチュードを学んでいます。2019年に開学した富山県立大学看護学部では、4年間一貫したユマニチュード教育が継続するカリキュラムが策定されています。
2016年
家族向けプロジェクトを開始
厚生労働省科学研究助成を受け、福岡市で自宅で介護を行なっている家族向けの講習会を開催。福岡市では2017年度、健寿社会モデル作りプロジェクト「福岡100」の中心事業としてユマニチュードが採択されました。
2017年
研究への取り組み
「優しいケアとは何か」をユマニチュードを通じて検証する学際的な取り組みが始まりました。日本科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業(CREST)に採択され、京都大学、九州大学、静岡大学、奈良先端技術大学、東京医療センターの専門家がケアの科学的な分析と教育手法について研究を行う5年半のプロジェクトが始まりました。
2018年には、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムとして、ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術をケアに応用するための研究も始まっています。
2019年7月
日本ユマニチュード学会設立
日本ユマニチュード学会が設立されました。