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ニュースレター「ユマニチュードの絆」創刊に寄せて | 日本ユマニチュード学会|人間らしさを尊重したケアを共に社会へ

ニュースレター「ユマニチュードの絆」創刊に寄せて

ユマニチュード考案者イヴ・ジネスト先生、ロゼット・マレスコッティ先生からのメッセージ連載

本内容はフランスのユマニチュード導入施設向けに配信されるニュースレター「ユマニチュードの絆」より転載したものです。ユマニチュード開発に至る経緯やジネスト先生たちの考えを知っていただく一助になると嬉しいです。

ユマニチュードの絆 第1号(2010年発行)

30年

1980年、病気の方々のために役立てる技術を携えて、私たちはケアの世界に入りました。

私たちは、毎日ケアの指導者として現場に赴き、看護・介護の専門職の皆さんと共に、そこで最もケアの提供が難しいと思われている方々を担当しました。

私たちは素晴らしい看護師さん、介護士さん、型にはまらないクリエイティブな施設長、研修生たちに会い、共に新しい老年学を創り出す努力をしました。というのも、時には恐怖、刑務所のようなホスピス、時には暴力的な介護者、業務遂行のみに注力する組織、痛みを全く意に介さない技術…などに出会うことがあり、その解決のために取り組む必要があったからです。

こうして私たちは、看護や介護の専門職の方々や家族の協力、ケアを受けるご本人との驚くべき出会いと共に、技術や組織、概念を発明していきました。

今日、すべてが「ジネスト・マレスコッティのケア技法®」の中に結合し、「ユマニチュード®の哲学」とおよそ150の独創的なケア技術を包括しています。この技法はすべてが現場で生まれ、考えたアイデアの実践を繰り返し、経験し、何度も話し合い、より良いものにしてきました。

私たちは皆さんの成果、皆さんのユマニチュードへの参画、皆さんとのたゆまぬコミュニケーションを大変うれしく思っています。

私たちは、このニュースレターを「絆」と名付けたいと思いました。たゆまぬ進化、皆さんが始め、私たちも実施してみる実験を互いに共有する絆です。

皆さんに重要と思われるイベントをお知らせしたり、知識や実施を改善するための絆です。

革新的な者たちが、独りぼっちで孤立しないための絆です。

差し伸べられる手、皆さんと一緒に体験した素晴らしい時を思い出させるささやき、ケアを拒んでいた患者さんが初めての微笑みを私たちに見せてくれた時、食事を食べることもできなかった男性が皆さんの助けで立ち上がった時、心配で打ちひしがれていたご家族が初めて皆さんに感謝の言葉をかけた時・・・

私たち共通の理想郷が、ある日しっかりとした現実となって現れる希望を共に持ちましょう。大きな相部屋だったり、苦しむ患者さんが放置されていたEHPAD(フランスの介護施設)が、ある日、優しく甘い言葉で語りかけ、ケアを無理やり行うのではなく、必要な場合にはそれを延期することをためらわない介護者に付き添われて、高齢の入居者達が過ごすようになるとは誰が想像したでしょう。ましてや、時にそこでダンスが行われるようになるとは。

自宅の代わりになる人生の本当の生活の場というのは、もはや理想郷ではなく、現実に存在するようになるかもしれないのです。

私たちは、30年前は二人きりでした。今日、私たちは、50名以上のユマニチュード専門家の集団となり、ジネスト・マレスコッティ研究所はフランス国内の12支部、国外の4海外支部、食事専門部門、総合部門で構成されています。(2010年現在)

私たちは研究組織IPRIMを支援し、研究に必要な費用を支えています。私たちは、Asshumevieの設立をお祝いします。Asshumevieは、施設へのユマニチュード導入プロジェクトを推進し、変化を恐れる勢力の抵抗を乗り越え、ユマニチュード導入施設の評価・認定に取り組んでいる施設長や理事長を組織化した団体です。

たくさんのプロジェクト、情熱、高齢者へのケアから生まれる相乗効果は、すべての人の尊厳を尊重し、市民であり続けること、自由を持つこと、正直であること、親切であることから生まれます。これらは施設で暮らす高齢者が私たちに求める最も重要な質なのです。

皆さんに感謝します。皆さんに私たちが寄り添えることを心からありがたく思います。

ロゼット・マレスコッティ

イヴ・ジネスト

Le Lien de l’Humanitude vol.1

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