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ユマニチュードの絆vol.6「継続的研修の限界」 | 日本ユマニチュード学会|人間らしさを尊重したケアを共に社会へ

ユマニチュードの絆vol.6「継続的研修の限界」

ユマニチュード考案者イヴ・ジネスト先生、ロゼット・マレスコッティ先生からのメッセージ連載

本内容はフランスのユマニチュード導入施設向けに配信されるニュースレター「ユマニチュードの絆」より転載したものです。ユマニチュード開発に至る経緯やジネスト先生たちの考えを知っていただく一助になると嬉しいです。

 

「継続的研修の限界」

専門研修実施に関する法律(1971年7月16日法)は、雇用者が被雇用者に永続的教育を受けさせることを求めています。

この法律は、今日のフランスにおける研修システムの「礎」とみなされるものです。フランスにおいては、40年以上の長きにわたり継続的研修のために様々な施策を行って、専門的技術や職場での就労環境・条件を改善してきたという事実を強調しておきます。私たちは本当に恵まれています、実に恵まれているのです。私たちは持つ知識や技術、ノウハウをより豊かにし、それをサービスに反映させる事が出来ます。しかし、同時に私たち研修機関の責任者は、研修には限界があることも承知しています。

「ジネスト・マレスコッティのケア技法®」の「ユマニチュード」の研修に際して、研修を受講するだけでは限界があり、研修後にケア従事者が学んだ知識や技術を実際に使って介護施設や介護サービスの場を、真の「生活の場」に変革する行動を推進するには十分でないことに気づきます。

4日間研修が終わると誰もが納得し、これを実践しなくてはならないと思います…しかし!

研修評価では、ある程度の時間が経過すると熱が冷めて、しばしばケア従事者は、「経営者が」自分たちが研修で得た知識を実践するための手段を与えてくれないと考えている事が示されます。それが正しい理由かどうかは別にして、誰にとってもイライラが募る状況なのです。ケア従事者は、学んできた優れたケア技法を実施できずに自らを悪い介護者だと感じます。経営者は、研修費用を投資したのに費用対効果が得られないと考えます。インストラクターは、熱意を持って研修を行ったのに結果が出ていないと考えます。

私たちの賭けです。施設で働き、他と異なるケアをし、権力を手放し、優しさを与え、注意深く聞き、一人ひとりに寄り添って、したい事や楽しみの実現、人生の最後までその方の「人生を生きる」ことを実現する手助けをします。

職員研修には高い費用がかかるので、研修は、関わる全ての人にとって役立つ投資でなくてはなりません。経営者、職員、専門職、そしてもちろんケアを受ける入居者本人にとって、本当に意味のある投資でなくてはなりません。

しかし、研修を意味ある投資にするその域にたどり着いた介護施設も現れてきました。いくつかの介護施設は、ユマニチュード認証という目標に賭け、障害物を乗り越え、職員にもこの変革に参画してもらい、ユマニチュード認証を獲得したのです。道のりは長く、3年から5年の歳月を要します。ですから、忍耐強く、パイオニアの経験を身につけて進みましょう。

今日では、私たちは、研修で得た知識を実行に移し、長期間施設に根付かせて継続させるためには、経営者や意思決定者達が加わり、彼らが研修を受けることも必要であると知っています。また、1名から数名のユマニチュードリーダーを育てることも必要です。リーダー候補者は、10日間特別のリーダー研修を受けます。

ユマニチュード認証取得計画を推進するワーキンググループを結成する際には、経営者、管理職、コーディネーター医師(フランスの介護施設には、主治医の他に施設全体の医療を統括するコーディネーター医師の存在が義務付けられています)、ユマニチュードリーダー、臨床心理士その他の専門パラメディカル、看護師、看護助手の他、入居者と家族の代表者が加わることも計画の成功のためには必須であるようです。

このワーキンググループが定期的に集まり、大小の計画を練り、目標を設定し、評価・再評価を行います。現場では、施設の規模により1つないし複数のグループを任命して計画を実施します。

ユマニチュード認証評価マニュアルは、認証を目指す施設が計画を熟考し、進めるためのガイドとなります。施設で研修が必要な際には、サポートいたします。

ユマニチュード認証を目指し、私たちに研修をご依頼くださる施設の皆様、気持ちを引き締めて行きましょう。ユマニチュード認証に向かって出発です!

ロゼット・マレスコッティ

イヴ・ジネスト

Le Lien de l’Humanitude より

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