第5回サポーターズレター 堀川 久咲代 さん (東京都)

サポーターズレター
ユマニチュード認定サポーター準備講座・養成講座を受講後、 “ユマニチュードを通して優しさが伝わり合う社会を実現するために共に助けあい、支え合う仲間”としてサポーター登録してくださった方からのお声をお届けします。

ユマニチュード認定サポーター

堀川 久咲代(東京都)

サポーター講座を受けた動機

私が小学生の頃、同居していた祖母がアルツハイマー型認知症に罹患しました。社会的なケア整備がされていない時代でしたので、全てのサポートを家族が担っていました。変わっていく祖母の様子に戸惑い、寂しく悲しい思いと、時には苛立ちを感じる一方で、介護していた母が体調を崩し、介護する側の大変さも経験しました。祖母の気持ちを理解できなかったことへの心残りや、母をサポートし続ける中でお薬以外の方法で自然治癒力を引き出し、病 気や心を緩和する方法がないか、ずっと考え自分なりにいろいろな方法を試してきました。私自身の仕事を通じて、お会いする方々にもユマニチュードの方法をお伝えできれば、個人の住宅においても認知症のケアだけでなく、家族との関わり方にも良い影響をもたらすのではと考えています。サポーター講座を見つけた時、すぐに申し込みました。

サポーター講座を受けた感想

まさに私が探していた自然治癒力を引き出す方法だと感動しました。最後まで残る感情を どのように尊重し、その想いを届ける方法か、知ることができました。

サポーター講座を受けた、前と後の変化

一昨年、手術を受けて車いす生活になった母にユマニチュードを実践しました。容態が不安定な時には、手を握り、ゆっくりと撫でながら焦点が合うまで目を見つめ続けると、母は覚醒するようになりました。そのような状態の時に別れ際に顔を近づけると、母は手を伸ばし別れを惜しむように、無言で私の長い髪を撫で続けていました。

手のぬくもりや撫でる優しさが、母だけでなく私自身の心にも優しさとぬくもりを感じさせてくれました。

はじめは親と顔を近づけて「見つめる」「触れる」ことに恥ずかしさがありましたが、その恥ずかしさを乗り越えると、触れ合い、寄り添うことで母も私もお互いに癒されていることに気づき、ゆとりを持って接することができるようになりました。人間らしさを尊重し続けることで、母から「今はとっても幸せ」と言ってもらえるようになりました。

介護することを楽しむと決め、その方法を知り実践することで、祖母にはできなかったケアを母にできている喜びがあります。

実践して効果があったこと


雑誌のイメージ

海外や国内の高級感のある旅先の写真が掲載されている雑誌は非常に好評です。外出が難しい母は、写真を通して疑似体験を楽しんでいます。

気持ちが明るくなり、お世話になっている方との話題にもなり大変嬉しいと喜んでいます。

サポーターズサロンについて(皆さんとの意見交換をして)

皆様がユマニチュードをどのように実践されているか、その実生活の様子をお聞きし、自分自身を照らし合わせながら聞いていると、自然と涙がこぼれることもあります。また、これから実践する上でのきっかけを模索しているお話を伺う中で、家族以外の方へどのように自然に行えるかも考えさせられました。サポーターズサロンでは、サポートする側の心にも皆さんが寄り添ってくれていることに気づき、優しく励まされていると感じ、元気をもらいました。

ユマニチュードについて思うこと

便利さが逆に不便に感じられる世の中になっていると感じます。人との直接的な触れ合いの機会が減少し、心の不調を訴える人も増えています。

ユマニチュードは、人間に本来備わっている大切な感性や感情を引き出し、人としての尊厳やぬくもりを伝える素晴らしいケア方法だと思います。どんな状況にあっても自尊心が守られ、守ることができるユマニチュードを広げることは、孤独を緩和する技術であり、現代社会においてその必要性を強く感じています。

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