札幌の神愛園でスタッフの方向け講演会を開催しました

北海道札幌市で複数の老人ホーム施設を運営する社会福祉法人 神愛園は、日本ユマニチュード学会の賛助会員として当学会の活動に賛同いただいています。

2021年6月、同施設の職員の方向けに森山由香インストラクターが「優しさを伝えるケア技術ーユマニチュードー」のオンライン講演会を行いました。当日は13部署、125名の方が参加され、講演会で得た気づきや感想を事務局にお送りいただきましたので、その一部をご紹介させていただきます。

講演会後に寄せられたご意見・ご感想

講師の方が「心が動けば体が動く」とされたが、長く介護の仕事に携わる私も同じように思ってやってきました。しかし、徐々に介護を受ける側ではなく、介護を提供する側の自分が失敗しないように、段取りを忘れないように、との思いで頭がいっぱいになっていたことに、この講演で気づかされました。
よかれと思ってやっていることを、相手の存在を尊重できる形で届けていこうと、改めて感じました。

ヘルパーとして活動していると、時間内にしなければならいことをするため、本来は利用者さんと一緒に行う活動を、ヘルパー一人で行ってしまうこともありました。
しかし、それでは利用者さんが「一緒にしたい」行動を無視して尊重できていないことになるので、今後の活動面で注意していきたいです。

ユマニチュードは、ケアの対象となる相手に「あなたは大切な存在です」というメッセージを相手が理解できる形で伝える哲学に基づいた技術と捉えると、4つの柱、5つのステップにとても納得できました。
「ユマニチュードとは高齢者のみならず、誰に対しても活かせる技術。大切な人に対して無意識に行っていることを意識的に行う」という言葉が印象的でした。

「できることを奪わず、できないことを要求せず、埋もれた力を引き出す」という言葉がとてもわかりやすく、「介護」を表現していると感じました。介護が必要な人に対し、何でもやってあげることがいいことではなく、できること・できないことをしっかり把握することが重要で、その上でできないことのみをサポートすることで介護される側の尊重も守られるし、介護する側の負担も軽減できるのではないかと感じました。

ユマニチュードの実践を一人で成し遂げるには困難があり、チームとして行なっていく必要も感じました。 一人の関わりでは、点での関わりで終わってしまい、本当の改善策につながらない、一貫性がないものになってしまいます。今後より実践沿った研修を重ねて、一人ではなくチームとしてユマニチュードを実践していきたいと思います。

赤ちゃんに接すつように「見る」「話す」「触れる」ことは、常態化するのに時間がかかると思いますが、職員同士の挨拶でも家族や友人に対しても、しっかりと相手の目を見て元気に挨拶することから始めようと思います。 日本人特有のテレや恥ずかしさはありますが、より良い人生を生きるために率先してユマニチュードを身につけたいと思います。「心が動けば、体が動く」に取り組みます。

講演を聞いて、これまで当たり前のように行なっていた自分のケアを改める部分に気づくと同時に、人間らしさを取り戻すケアとして、自分が利用様にできるケアはまだたくさんあると感じられました。 具体的に実践できるケア技術を見ることができ、冷静に利用者様が何を言おうとしてるのか、今、利用者様に必要なことは何か、どのようなケアが適切かを考え、その方に合わせたケアが行える環境を整えていきたいと思いました。

講演会後、各事業所の推進者がメインとなり、一事例を3か月という期間を定め取り組み、その結果の報告を繰り返しているところです。また、各事業所の取り組み報告を掲示し、共有を行っています。そのほか、ケアプランにユマニチュードを盛り込みながら、実践につながる環境を作っています。とのお声をいただきました。

賛助会員制度

当学会では、ユマニチュードの浸透を共に目指してくださる施設や法人様による賛助会員制度を設定しており、すでに多くの皆様と活動を共にさせていただいております。くわしくはこちらをご覧ください。

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