自治体におけるユマニチュード

人間らしさを大切にするケア技法「ユマニチュード」は、医療や介護現場だけのものではありません。これから超高齢社会を迎える日本において、誰もが自分らしく生きていける社会を実現するため、自治体として「ユマニチュード」への取り組みを採択、検討するところが増え始めています。各自治体がユマニチュードを採択した経緯や、取り組み内容についてご紹介します。

福岡市の取り組み

福岡市では、人生100年時代を見据え、誰もが心身ともに健康で自分らしく生きていくことが出来るよう、個人の幸せと持続可能性が両立する健寿社会のモデルをつくるプロジェクト「福岡100」に取り組んでいます。その一つとして、認知症の人やその家族がいきいきと暮らせる認知症にやさしいまち「認知症フレンドリーシティ」を目指し、病院/介護施設・家族介護者・一般市民・児童/生徒・公務員など幅広い方々を対象に「ユマニチュード」講習を行なっています。

福岡市ユマニチュード事業「安心して自分らしく暮らせるまち 福岡市へ」広報映像のご紹介

『福岡市消防局救急隊員×ユマニチュード』映像のご紹介

「救急隊員向けユマニチュード研修」を受講された救急隊員が、日常の救急活動にユマニチュードを取り入れることによって、いかに優れた実践をされているか、動画にてご紹介いたします

福岡市がユマニチュードを採択するに至った経緯と福岡市の取り組み(荒瀬泰子さん 福岡市副市長、当学会理事)

「認知症フレンドリーシティ」の中核事業としてユマニチュードのケア技法を自治体として採択するに至った経緯や、地域全体で認知症のケアを行えるようにと、校区ごとに開かれている市民向けのユマニチュード講座について語ってくださいました。

※2019年10月開催「第一回日本ユマニチュード学会総会 基調講演」より

取り組み①「家族介護者サポート」(大津省一さん、信子さん)

認知症の信子さんと、信子さんの介護をされている省一さんは、福岡市が行なっている市民向け講座でユマニチュードに出会いました。ユマニチュードにより再び信頼関係を取り戻すことができたと語るお二人が、家族介護の悩みや講習後の変化を教えてくださいました。

※福岡市・日本ユマニチュード学会共同制作 「介護に笑顔があふれ出した 〜福岡市におけるユマニチュードの取り組み〜」より

「ユマニチュードに出会って」

福岡市と当学会で制作した映像「介護に笑顔があふれ出した 〜福岡市におけるユマニチュードの取り組み〜」の取材でイヴ・ジネスト先生とともに大津さん宅を訪問した際に伺ったお話をご紹介します。


取り組み②「救急隊員向けユマニチュード研修」(財部弘幸さん 福岡市消防局 警防部救急課 救急指導係長)

世界で初めてとなる救急隊員向けのユマニチュード研修を2018年から始めた福岡市。過去2回の取り組みと、研修内容を人工知能で映像解析することによって見えてきたユマニチュードがもたらす救急隊員への効果について語ってくださいました。

※2020年9月開催「第二回日本ユマニチュード学会総会 基調講演」 より

参考資料